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使ってみよう Salesforce Community Cloud(上)

こんにちはアピリオ北嵐です。プロジェクトでSalesforce Community Cloudを触る機会がありましたので、自分の備忘録も兼ねて今回はCommunity Cloudの基本的なセットアップ方法についてご紹介したいと思います。検証した環境はSummer'16です。

Community Cloudは従来から提供されているパートナー/カスタマーポータルの後継サービスであり、Site.comForce.comサイトによる外部ユーザー向けの公開サイトの開発機能を包含しています。Lightningベースのコミュニティビルダーを使ったノンコーディングのサイト開発とVisualforceページによるカスタムサイト開発を提供している他、Chatter機能も使えるようになっています。また、ログインせずにアクセスできるパブリックなWebサイトとログインユーザーのみが利用できるサイトを1つのコミュニティ上に共存させることができます。カスタマー・コミュニティは自社のお客様であるユーザーに対するコミュニティであり、パートナー・コミュニティは自社のパートナー企業に対するコミュニティを表します。

Community CloudのライセンスはSummer'16では下記のようになっています。ライセンスの詳細についてはこちらを参照して下さい。

 ライセンス名
 Customer Community
 Customer Community Plus
 Partner Community
 Employee Community

 

Community Cloudではテンプレートをベースにコミュニティビルダーを使って手軽にサイトを開発する方法も提供されていますが、今回は従来から提供されているVisualforceページとForce.comサイトを使って、外部のカスタマー向けにカスタム開発のサイトを準備する手順について紹介します。なお前提とするライセンスはCustomer Community Plusとします。

1. 開発組織の準備

サンドボックス環境を準備できない方は無償で提供されているDeveloper向けの組織を準備します。Community CloudのライセンスはDeveloper Editionに含まれていますので、サインアップしてテスト用の開発組織を準備して下さい。手順はいつものように下記のサイトにアクセスして必要事項を記入するだけです。ものの数分であなたのための開発組織が準備できます。

https://developer.salesforce.com/signup

2. コミュニティの登録

まず最初にやる事はコミュニティの有効化です。[設定] - [カスタマイズ] - [コミュニティ] - [コミュニティ設定]を開いて、“コミュニティを有効化”をチェックして保存します。この時にコミュティ・サイトのドメイン名を入力します。下記の例では“appirio-commdemo”としています。一度設定すると変更できませんので、本番サイトで実施する場合は十分に注意して下さい。

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URLの登録に成功するとコミュニティを追加できるようになります。

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“新規コミュニティ”をボタンをクリックすると、テンプレートの選択画面が出てきます。KOKUAやKOAといったテンプレートを使用するとコミュニティビルダーを使ってWYSWYG環境でサイトの開発ができるようになりますが、ここではフルスクラッチでサイトを開発したいので“SalesforceタブとVISUALFORCE”を選択します。

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最後にコミュニティの名前とURLの一部(サイト名の最後に/ に続けて指定する名前)を指定して“コミュニティを作成”ボタンを押します。

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これでコミュニティの作成は完了です。

3.コミュニティの設定

コミュニティの設定を行う前に、Salesforceの標準画面とコミュティ・サイトへの切り替えを簡単に行えるようにシステム管理者のプロファイルでグローバルヘッダを有効化します。[設定] - [ユーザーの管理] - [プロファイル] から“システム管理者”を選択して、システム管理者権限の“グローバルヘッダーを参照”にチェックを入れます。

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保存するとブラウザの上部に黒いグローバルヘッダが表示されるようになります。このヘッダの左側のメニューでさきほど作成したコミュティにアクセスできるようになります。さっそく「パートナー向けコミュティ(プレビュー)」を押してみます。

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現在ログインしているユーザーでコミュニティ・サイトが表示されました。URLのホスト名がSalesforce標準(ap2.salesforce.com等)から指定したコミュニティ・サイトのもの(今回は appirio-commdemo-developer-edition.ap2.force.com)に変わったことに注意して下さい。各コミュニティ・サイトには専用のURLを使ってアクセスすることがCommunity Cloudの1つの特長になります。

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グローバルヘッダのアイコンをクリックすることで、コミュニティのカスタマイズ画面が表示されます(この画面はコミュニティ作成完了時の「編集」ボタンを押した時に表示されるものと同じです)。

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メニューの[管理]をクリックしてサブメニューを表示して下さい。ここでコミュニティ・サイトの設定をカスタマイズすることができます。

 

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[メンバー]

コミュニティ・サイトを使用する社内および社外のプロファイル指定します(権限セットを使ってユーザーを選択することもできますが説明は割愛します)。社外ユーザーのプロファイルは使用するライセンスの種類に応じて選択して下さい。ここではライセンスとして「Customer Community Plus」を購入したと仮定して、プロファイル Customer Community Plus User と Customer Community Plus Login User の2つを追加します。この2つのプロファイルですが、それぞれ通常の「ユーザーライセンス」と「月ごとのログインベースライセンス」に紐付いています。「月ごとのログインベースライセンス」とはユーザー単位でライセンスを購入するのではなく、ログインするごとに消費されるログイン数を購入するライセンスのことであり、ユーザーが頻繁にサイトを使用しないことが想定される場合に使用されるライセンスです。ライセンスタイプに応じて、ユーザーをどちらのライセンスに割り当てるかを決めて下さい。

コミュニティのライセンスの詳細については下記のページを参考にして下さい。

https://developer.salesforce.com/blogs/developer-relations/2014/02/salesforce-communities-licenses.html  (英語)

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[メンバーページ]

[タブ]

コミュニティの標準ヘッダに表示するタブを選択します。デフォルトではChatterタブのみが選択されています。使い方は通常のSalesforceの画面と同じであり、Visualforceページを表示させたい場合はVisualforceタブを選択して下さい。

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[ブランド]

サイトのデザインをカスタマイズできます。ヘッダに表示する画像、フッタのメッセージ、サイトの配色を指定することができます。画像を指定する場合は事前に「ドキュメント」に画像を登録しておく必要があります。

 

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[ログイン&登録]

ログインに関するカスタマイズを行います。ログインのカスタマイズについては後半でご紹介したいと思いますので、一旦デフォルトのままとしておきます。

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[メール]

Salesforceから送信される各種メールとテンプレートの設定になります。必要に応じて変更します。

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[詳細]

各種設定をカスタマイズします。今回はデフォルトのままとして下さい。

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[ページ]

コミュニティ・サイトのホームページとサービスが利用できない場合に表示する画面を指定できます。こちらについても後で説明しますので、デフォルトのままとしておきます。

 

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[設定]

“コミュティーを有効化”することで、外部に向けてコミュニティ・サイトを公開できます(公開していない状態では外部からログインすることはできません)。テンプレートは作成時に指定したもの(SalesforceタブとVisualforce)を使いますので変更しません。

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本番用のサイトであれば全ての準備が完了してからコミュニティを外部に向けて公開することになりますが、今回は検証サイトなのでこのタイミングで“コミュニティを有効化”ボタンを押して、コミュニティを外部に向けて公開します。

4.コミュニティ・ユーザーの登録

この段階では社内のユーザーのみがコミュニティ・サイトにログインできる状態ですので、社外のユーザーを登録していきます。コミュニティのユーザーは通常のSalesforceユーザーとは異なり、取引先責任者(Contact)に紐付ける形で登録していきます。取引先責任者は取引先(Account)に紐付ける必要があり、カスタマー・コミュニーティ(BtoC)の場合は代表の取引先を1つ(ここではカスタマーという名前で登録します)作成し、パートナー・コミュニティ(BtoB)ではパートナー会社を取引先として登録してから取引先責任者を作成します。なお取引先責任者をパートナーとして登録するためには、所属する取引先レコードを「外部取引先の管理」でパートナーとして有効化しておく必要があります。

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[取引先をパートナーとして有効化する]

新規の取引先責任者を作成し保存してから開くと、「外部ユーザの管理」ボタンが表示されるので“カスタマーユーザーを有効化”をクリックします(パートナー取引先に紐付いている場合は“パートナーユーザーを有効化”が表示されますので、クリックすることでパートナーユーザーを作成することもできます)。

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ユーザーを有効化すると新規ユーザーの作成画面が表示され、取引先責任者に紐付くカスタマーユーザーの情報が表示されます。ここではユーザーライセンスとプロファイルに注意して下さい。デフォルトではCustomer Community Userが選択されていますので、作成するユーザーに割り当てる購入済みのライセンスを選択して下さい。さきほど説明したように LOGIN が付いているライセンスは「月ごとのログインベースライセンス」を表します。

ここでは、Customer Community Plus を選択します(プロファイルはライセンスに応じて自動的に選択されます)。通常のSalesforceユーザーと同じようにユーザーのメールアドレス、ユーザー名、ニックネームを指定して“保存”を押します。
※ コミュニティを有効化する前にユーザーを登録した場合は“パスワードをリセットしてユーザーに通知する”のチェックを外しておいて下さい。コミュニティを有効化した時に一括して全ての外部ユーザーに対してパスワード設定のメールが配信されます。

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注意:コミュニティユーザーを登録するユーザー自身にロールが割り当てられていない場合、保存時に下記のエラーが起こります。回避するには任意のロールを作成し、それを自分自身のユーザーに割り当てて下さい。

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以上で基本的なコミュニティ・サイトの設定は完了です。作成した外部ユーザーを使ってサイトにログインすることができるようになります。この段階では社内のユーザー(通常のSalesforceユーザー)は標準のSalesforceログイン画面(login.salesforce.com等)からのみログインすることができ、社外のユーザーはコミュニティ・サイトのログイン画面(今回だと appirio-commdemo-developer-edition.ap2.force.com/partner/login)からログインすることができます。開発を行っていると両者を混同する事がありますので注意して下さい。

長くなりましたので今回はここまでとします。後半では各標準ページをカスタマイズする方法について紹介します!

 

About Kitaarashi Naoki

Kitaarashi Naoki

某大手SIベンダーを退職し2015年3月からアピリオの一員としてクラウド業界に身を投じています。クラウドという広大な技術の波に翻弄されつつも一流のクラウド技術者を目指して日々悪戦苦闘中です。

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