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Salesforce Analytics Cloud入門(2)~レンズとダッシュボードを使って手軽に分析を~

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Analytics Cloud入門の第2回目です。第1回目では製品の概要および特徴についてご紹介しましたので、今回はより具体的にAnalytics Cloudで何ができるのかを知るために分析機能について詳しく見ていきたいと思います。 なお、今回使用するAnalytics Cloud環境は2015年7月時点の英語環境となります。そのため正式リリース時の日本語版とは画面や機能が一部異なる可能性があることにご注意下さい。

レンズ

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[データセット、レンズ、ダッシュボードの関係]

Analytics Cloudではデータソースからデータセットを作成し、データの分析と表示を“レンズ”と“ダッシュボード”を使って行います。“ダッシュボード”はなんとなくイメージできるけど“レンズ”って何という方が多いと思いますので、まずは“レンズ”について説明していきたいと思います。 Analytics Cloudにおける“レンズ”とは、データセットに保管されたデータを特定の条件に基づいて抽出しそれをグラフ/表として表示するビューのことを表します。具体的には抽出条件(メジャー、ディメンション、フィルター)と表示形式から構成されます。

抽出条件

抽出条件は3つの要素(メジャー、ディメンション、フィルター)から構成されます。 Screen Shot 2015-08-10 at 15.16.57

[レンズの表示例1]

メジャーとは分析する数値のことを表し、上図では金額の合計値をメジャーとして棒グラフで表示しています。メジャーとして使われるものには金額、件数、率、時間などの数値があります。ディメンションは分析を行う軸のことであり、上図では地域をディメンションとしてグルーピングを行い、地域ごとの合計金額を表示させています。ディメンションとしてはあらゆるテキスト形式のデータを使用でき、例としては場所、日付、性別/年齢、商品、カテゴリ/種別といったものが挙げられます。フィルターはデータを絞り込むための条件であり、上図ではフィルターにより抽出するデータをStage項目の値が“Closed Won(成約)”のデータのみに絞り込んでいます。 “レンズ”を使った開発作業では、上記3つの抽出条件を変えながらスライス&ダイス分析を手軽に行うことができ、条件を変更すると結果がすぐに画面に反映されます(REST APIを使って動的にデータを取得しJavaScriptを使って画面表示を更新します)。下の表示例2はディメンションを地域からリードソースに変更した結果であり、表示例3はディメンションとして地域とリードソースの2つを指定した結果となります。 Screen Shot 2015-08-10 at 15.33.00Screen Shot 2015-08-10 at 15.33.48

[レンズの表示例2]                                            [レンズの表示例3]

JavaScriptを使った画面表示の切り替えは非常にダイナミックであり、ユーザーはレンズを通した分析作業を直感的に行うことができるでしょう。

表示形式

表示形式は画面上でのデータの表示方法であり、各種グラフや表を選択することができます。下の図は現バージョンで選択可能な表示形式です。

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[Analytics Cloudの表示形式]

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[積み上げ棒グラフの表示例]                                 [ヒートマップ・グラフの表示例] Screen Shot 2015-08-10 at 16.16.54

[ピボット・テーブルの表示例] レンズによる分析ではどのディメンションを使ってデータを抽出し、どの表示形式を使って画面上にデータを表示するのかを考える必要があります。ツールとしての使い方は簡単ですが、効果的に分析を行うにはある程度の経験とデータそのものに対する知識がやはり必要だと思います。

日付の取り扱い

データセット内の日付フィールドは特別なフィールドとして取り扱われ、データセット作成時に1つの日付フィールドから年、4半期、月、週、日別のディメンションが自動的に作成されます。この仕様によりAnalytics Cloudでは日付をディメンションとした分析をとても簡単に行うことができます。

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[自動的に作成される日付ディメンション] 下図の上段は日付のディメンションとして「Year-Quarter(4半期)」を選択し、下段は「Year-Month(月)」を選択しています。

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[4半期別の売上金額]

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[月別の売上金額] 日付の処理としては会計年度(例えば2015年4月から翌年の2016年3月までを2015年度としたい場合)にも対応しており、データセット作成時に実日付だけでなく会計日付に対応したディメンションを自動的に作成することもできます。

ダッシュボード

続いてダッシュボードについて説明します。ダッシュボードはレンズによる分析結果をウィジェットとして配置し、データの様々なスナップショットを表示するものです。Analytics Cloudでは目的別にダッシュボードを作成しユーザーに対して公開することで分析機能をユーザーに提供します。下図はダッシュボードの例になります。 Screen Shot 2015-08-07 at 16.32.27

  ウィジェットは現在11種類ほど用意されており、主に使用するのは下記の5種類です。他にもチュートリアル・ビデオを表示するためのYouTubeウィジェットや、背景に色を付けたり画像を表示するためのボックス・ウィジェット等があります。 Screen Shot 2015-08-07 at 17.40.24

[ダッシュボードで使用する主なウィジェット]

ダッシュボード上のウィジェットの表示は、レンズで指定したデータの選択条件、表示形式、各種ウィジェットの設定(タイトル、図の大きさ、凡例表示の有無等)により決まります。 同じデータセットに紐付いたウィジェットはデフォルトでは全てリンクしており、あるウィジェットでの選択結果により他のウィジェットに表示されるデータが変化します。例えば、ダッシュボード上に地域別の売上金額を表示するグラフと商談のリードソースを選択するリストが配置されていて、リードソースとして“External Web”を選択すると売上金額のグラフはリードソース=“External Web”に絞り込まれたデータのみを表示します。

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[ウィジェット間のデータ・リンクの例]

ダッシュボードは自由にデザインできるため慣れないうちはどのように作成するかが難しいものです。Analytics Cloudの開発チームからは毎月ダッシュボードのテンプレートが公開されているので、こうしたテンプレートを参考にしてみるのも良いと思います(注:現在はPrivateのAnalytics Cloudのchatterグループで公開されている)。 Screen Shot 2015-08-07 at 17.58.09

[公開されているダッシュボード・テンプレート]

まとめ

今回はAnalytics Cloudが提供するビジュアルな分析機能について紹介しました。実際に使ってみないとツールの使い勝手の良さはなかなか伝わらないとは思いますが、雰囲気だけでも感じ取ってもらえれば幸いです。英語にはなりますがこちらのデモで実際にレンズを使った分析の様子を見ることができます。 次回はデータを蓄えるリポジトリである“データセット”について紹介する予定です。

(関連ブログ)

Salesforce Analytics Cloud入門(1)~まずは5分で概要の理解から~

Salesforce Analytics Cloud入門(3)~データセット ~

Salesforce Analytics Cloud入門(4)~EtLTによるデータセットのロードと変換 ~

Salesforce Analytics Cloud入門(5)~ ダッシュボードJSONによるカスタマイズ開発 ~

About Kitaarashi Naoki

Kitaarashi Naoki

某大手SIベンダーを退職し2015年3月からアピリオの一員としてクラウド業界に身を投じています。クラウドという広大な技術の波に翻弄されつつも一流のクラウド技術者を目指して日々悪戦苦闘中です。

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